アレルギーについて その3
これから少しですけど、
ペッ ト食事講座にお付き合いください。
まず!総合栄養食 規約によりますと,
総合栄養食とは
「ペットフードのうち 犬又は猫に
毎日の主要な食事として給与することを目的とし、
当該ペットフードと水だけで指定された
成長段階における健康を維持できるような
栄養的なバランスのとれた製品であって、
施行規則に定める栄養成分等の基準を満たすもの」
と定義されています。赤い部分わかります?
勝手に赤くしただけで規約が赤いと言うわけではないです。
総合栄養食と、 水のみで大丈夫なカロリーメイトのようなものです。
素晴らしい夢の食事です。
ちなみに、、、この場合の基準とは、 次に示すいずれかとなっています。
1.試験を行った結果が、
規定する栄養基準に合致すること
2.成長段階の給与試験の結果が、
それぞれの評価基準に合致すること
またパッケージに総合栄養食である旨、 表示する場合には、
どちらの評価基準を用いたかわかるように、
それぞれ次のような表示 (又はこれと同等の表示)を
行うことになっています。
1.この製品は、ペットフード公正取引協議会の
定める分析試験の結果、
総合栄養食の基準を満たすことが証明されています。
2.この製品は、ペットフード公正取引協議会の
定める給与試験の結果、
総合栄養食の基準を満たすことが証明されています。
ちなみに、規約で採用されている 分析試験の栄養基準や、
給与試験のプロトコール(試験方法)と評価基準は
AAFCOの基準に準拠しています。
そのためパッケージにAAFCOの栄養基準について
表示されることもあります
(規約では表示の有無は任意とされています)。
ただしAAFCOは栄養基準や
ラベル表示などに関するガイドラインを作成する機関であり、
メーカーから試験を委託されたり、 試験結果を認定・承認したり、
また合格証明書を発行するようなことはありません。
よって、規約では「AAFCO認定」、「AAFCO承認」、
「AAFCO合格」等の表示は、不当表示となり
表示できないことになっています。
ちなみに、ヒルズのサイエンスダイエットは、
すべて総合栄養食およびAAFCOの栄養基準を 満たしています。
だから少々高いんですよね。
あと、ヒルズは、研究所を設けて
ちゃんと臨床テストも繰り返しています。
研究所と言っても動物をばらばらにするような研究ではなく、
ヒルズの研究そは犬が家の中を自由に歩いて、
普通の生活を営んでるワンワンハウスのような環境です。
考えれば世界で一番栄養管理の行き届いたところで、
健康診断もうけて、病気になれば処方食といったような
最高の環境にいるのかもしれません。。。
私は研究所を見てそう感じました。
うーん、素晴らしいと思いました。
ちなみに、サイエンスダイエットの表示としては、
総合栄養食っていう記述と、
AAFCO(米国飼料検査官協会)の
基準クリアーと記されています。
一度そういうところも見てください。
アメリカ系の会社ばかりがクローズアップされていますが、
最近ではフランスで、
獣医師が中心で作ったペットフードの会社が進出しています。
これはけっこうEU諸国ではヒットしてるようです。
日本ではなかなかまだ浸透には時間かかるようです。
最近診療をしていて増えているのは、 海外の自然食中心の食事。
名前は色々です。 でも、飼い主さんは工夫されていますね。
最近のペットフードメーカでは、
犬の食べ方を犬種ごとに観察して
食べやすい形状にフードを改良したりするところまで
研究してますからね。すごいです。
一方、特別療法食とは、
特定の疾患等に栄養的に対処するため、
栄養バランスが考慮され、
専門的なアドバイスや処方に従って与えることを
目的としたペットフードのことです。
そのため特別療法食は、
規約の中では、「その他の目的食」に分類されています。
これは、特別療法食である プリスクリプション・ダイエットが
給与試験を実施していなかったり、
一定の栄養基準を満たしていないと いう意味ではありません。
多くの製品は総合栄養食と同等の栄養バランスを
満たしていますが、これらの製品は
あくまでも獣医師の管理のもとに処方されるフードということで、
総合栄養食ではなく、あえて「その他の目的食」に分類し、
特別療法食と表示しています。
したがって ホームセンターで買えるという類のものではないのです。
そして特殊な製法のものもあるので、
通常の総合食よりも若干高くなっています。
また、製品の名前の付け方にも、
ある一定のルールがあります。
どうでもいいけど、気になると思うので、 そういう事にも触れていきます。
ペットオーナーにとって、ペットの好む原材料
( チキンやビーフ、フィッシュなど)や香りは、
製品購入時の目安の一つとなります。
うちの病院でも毎回フィッシュとチキンを
交代で買っていく人がいます。
では、具体例を出しながら書いていきます。
2つの製品があったとし、何が違うでしょうか?
いずれの製品もツナとチキンを原材料に
使っているであろうということは想像できます。
A:「○○キャットフード・ツナ&チキン」
B:「○○キャットフード ツナ風味 チキン入り」
もう完全に雑学ワールド、、、
ハンドメイドの食事・アレルギーの話だと期待して
読んでる方には苦痛極まりないことと思います。
でも、これも必要なことですよ。
成分表示見ながら
ハンドメイドの食事を考えていくことになりますから・・・・。
(言い訳くさい。。。)
で、何が違うねん!ということですけど、、、、
実は規約では、原材料名を商品名、
絵、写真、説明文等に使用する場合は、
その原材料がペットフードの乾燥内容量の5%以上
使用されていなければけないことになっています。
逆に5%未満の場合は、
「ツナ入り」、「ツナ味」、「ツナ風味」、「ツナフレーバー」
などと表示しなければなりません。
ですから、製品名を見るだけで、
製品Aは「ツナも5%以上、チキンも5%以上」 であることがわかりますし、
製品Bは「ツナもチキンも5%未満」であることがわかります。
したがってチキンの絵が書いてあって、 ツナ入り!と書いてあれば本物。
ツナ風味と書いてあってツナの絵があるようなら、
偽物(そこまで言っていいのか?) 、、、となります。
ま、こんな初歩的なもので
違反しているようなことはないでしょうけど、、、、、
ただしツナのように、
飼い主さんにとって非常に魅力的な原材料が
たーっぷり使われているからといって、
単純に「栄養たっぷり」と喜ぶわけにはいきません。
確かに、「おいしさ」という点での満足度は
高まるかもしれませんが、栄養バランスを考えると、
与え方に注意が必要となる場合もあります。
例えば成猫が主食として
食べるフードに含まれる蛋白質の量は
約30〜45%(乾物量分析値)といわれています。
一方、ツナ(まぐろ赤身)に含まれる蛋白質の量は
80〜95%(乾物量分析値)程度といわれているので、
もし原材料として100%ツナを使った猫缶があったとすると
製品中に含まれる蛋白質の量を
適切なレベルにコントロールするのは かなり困難といえるでしょう。
よって、このような缶詰を主食として 毎日与え続けた場合、
やはり栄養学的に問題があると言わざるを得ません。
だからよく獣医さんに相談してください。
シーチキン100%で生活させようなんて、 もう問題外!です。
私甘栗だけで5年間育って、体壊して、
その原因を調べる為に
東大まで診察にやってきた症例を担当したことがあります。
「先生原因は何でしょうね。」
「甘栗しか食べてないから、栄養片よりますよね。」
みたいな会話をした記憶があります。
とにかく、総合栄養補給は大切です。
アレルギーだからといって、
タンパク質を取らないというのはダメなので、
なんとかして体にアレルギーを示さない形の タ
ンパク質という形で、補給してあげることになります。
で、何が言いたかったんだといいますと、
表示をまず見てください。
で、どの栄養素がどれだけ必要なの?と考えてみてください。
ハンドメイドのディナーはそこがスタートです。
それに応じて色々と作るのです。
昔学校時代、 すごく前に学校時代だった人もいると思いますので、
ちょっと家庭科のあの表を思い出してみてください。
色々と書いてあったでしょ?
鶏肉がどうのとか、キャベツがどうとか、 色々と書いてあるでしょ?
あれ見ていきながら復習です。
栄養分を調節して作っていくことが重要となります。
基本としては、栄養分が足りなくなったり、 多くなったりさせないこと。
アレルギーある時には、アレルギーの検査をを行い
それを除去した項目を考えてからの
ホームメイドのディナーとなります。
ちなみに、現在では以下のような検査項目があります。
うちの病院では、このような検査項目全てに対して
検査を一度の採血で行えます。
検査項目
草
ギョウギシバ ライムギ ハルガヤオオアワガエリ
セイバンモロコシカモガヤ アシ イチゴツナギクサヨシ
シラゲガヤ
雑草
ブタクサ セージ ヘラオオバコアキノキリンソウ
アザミ アカザギシギシ ニワトコ シロザ
樹木
ビャクシン ニホンスギ オリーブブナ
セイヨウトネリコ ハンノキシラカバ ヤナギ
ニホンマツ ヒノキネズミモチ オーク クワ
真菌、カビ
アスペルギルス
アルテルナリアヘルミントスポリウム
ホルモンデンドラムペニシリウム
ライゾープスステンフィリウム
カンジダ・アルビカンスカープラリア
プルラリア フーザリウム黄色ブドウ球菌
マラセチア
上皮
猫毛 犬毛 羽毛 混合マウス上皮
食物
牛肉 鶏肉 豚肉 鹿肉 兎肉 卵
ミルク 大豆 コーン 小麦羊肉
米 七面鳥 雑草 オートミール大麦
ジャガイモ ビール酵母 コンブ 玄米トマトのしぼりかす
にんじん エンドウマメアヒル/カモ ナマズ シシャモ
ニシンカツオ マグロ サケ
ハウスダスト・ダニ ハウスダストハウスダスト/ダニ
室内
ウール コットン カポック匂い菖蒲
ジュート/サイザル材たばこの煙 オーロンナイロンレーヨン
昆虫
ゴキブリ 蚊 ハエ ノミ
以上の項目で検査を行い、
それをもとにして、カウンセリングを行います。
話それますけど、 獣医の皮膚科専門病院では、
カウンセリング含めて1時間ほどの問診となることがあります。
犬の行動や、痒みの程度 飼い主との関係など
色々と見ないとやっていけません。
痒いからステロイド。
そればかりでは、やっていけませんよね。
痒い原因となる物質があるなら、それを除去。
それが基本です。
アレルギーをたとえるなら、コップの水とたとえましょう。
コップに水を注いで、そこからこぼれたら症状を示す。
ということになります。
で、アレルギーの治療をするということは、
投薬では、このコップを傾けることで、
内容量に余裕を持たせるということです。
また再びアレルギー物質という水を入れても大丈夫なようにします。
で、アレルギー物質除去食というのは、
アレルギーのコップに、水を注がないということです。
だからゆっくりゆっくりと蓄積されて
いきなり症状が出るという人の花粉症も
納得していただけると思います。
さて、単独のアレルギーの話ばかり書いていますけど、
今までで出していない言葉で
「アトピー」という言葉がありますよね。
アトピーって、どういう言葉だとおもいますか?
たくさんのアレルギーが重なって、
よくわかんないという意味の言葉です。
だから、病院に行って
真っ先に「アトピーですね。」って言われたら、
最初から診断放棄状態だと思います。
それは注意してくださいね。
未だにアトピーという言葉の意味を
間違えている場合があります。
治るはずもないステロイドだけで
長期治療をさせられている不幸な結果と
なっている場合があります。
実際にうちの病院のトリマーさんの犬は、
前職の当時、
給料を全て突っ込むくらい治療費にお金かけたそうです。
で、うちに来てから、アレルギー検査と除去食で、
全く問題なく、普通に過ごしています。
こういう飼い主さんがいつも言われるのは、
「今までなんだったんでしょうね。」 って。
きちんと理由考えてあげないと、
ステロイド治療は痒いのを抑えてるだけで、
臭いものにふたをしているだけです。 フードも重要だし、
環境を見つめなおしてあげるのも重要です。
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