臨時セミナー その2

今本先生のテレビで放送されなかった話 前編

今本先生の臨時セミナー編として「報道特集」で、
放送されなかった部分を 2回に分けて、 お聞かせいただきます。
今本先生、お忙しい中ありがとうございます。

*************************

今本です。
放送に当たって、何か放送されなかったことを書くというのは
次回へのお楽しみがなくなるというのもありますけど
いうならば、今から書く内容は放送はされなかったけど
結局カメラの前ではしゃべってしまった事ですので、、、、

では、何をしゃべって、何が言いたかったのかということを
半年以上も前の記憶をもとに書いていきます。
まずは、昨日の掲示板でも話題になったのですが、
「陰睾」これも遺伝します。
案外これも知らないんです。

「うちの子は、たまたまちゃんが一個なんですぅぅ。。。」
これすなわち、
「うちの子遺伝性疾患の可能性があるんですぅぅ。」 と考えてください。
こんな近くに遺伝する疾患がある。それってどうですか?
後は皆様でお考え下さい。

さて、次です。
じゃぁ、遺伝性疾患をどのようにしたらいいのでしょうか?

治療法は? 答えは、イージーです。
遺伝性疾患とは、すなわちほとんどが進行性のものです。
進行性とは、進んでいくという意味で 何をやっても進んでいきます。
獣医師の、その中でも 名医といわれる人の力をもってしても、進みます。

じゃぁ、遺伝性疾患の子は繁殖に用いない!
これ基本です。

実際にヨーロッパでは、ブリーダーさんの協力で
遺伝性疾患の減少に成功した例もあります。

日本は可能でしょうか? それがちょっと厳しいです。
なぜか? 無知なブリーダーが多いです。
なぜ無知なのか? 守銭奴がいるからです。
金の亡者です。 たいして勉強しなくても、金が稼げるからです。

きちんとしているブリーダーさんまで そういう弊害をくらうのは、本当に残念です。
私が何度か遺伝病という関係の獣医師向けの連載をするに当たって
相談させていただいたブリーダーさんは本当に仕事として
誇りを感じて、やっていました。
獣医師 よりも詳しいのかもしれないという知識もありました。

それと正反対のブリーダーもいます。
こういうのは内部告発となってしまうでしょうけど
いずれ私のところに来ている本を書かないかの オファーで書くつもりです。
ダークサイドに触れたら除外されてしまうのですけど、
それはそれで仕方ないと考えています。
だから発言はします。 テレビでもそういう話はやってました。

まず、金銭面でしか考えないブリーダーは危険です。
動物病院でもそうですけど、値切られるんです。
私は、何度かブリーダーがやってきたことがありました。
そして値切られました。
なぜ、モラルのないブリーダーに対して 獣医師が手を貸さないといけないのか?
手を貸す前に繁殖の指導を試みました。
「犬を知ってから言ってもらいたい。 前の獣医はそんな事を言わなかった。」
と言われました。

「じゃぁ、あなたは何を知ってるのですか?
なぜ、帝王切開の子を何度も繁殖させるのですか?」 と聞きました。

「繁殖できなかったら、こいつがここにいる意味がない。
こっちも商売だし、病院も商売。 お互いの利害が一致したらええやん。」
それって、どう?
私は、病院は商売であってはいけないと思います。
病院は患者さんの数などを競うものではないでしょ?
だからこそ言います。
「じゃぁ、そういう病院へいってください。   
 私は、誰であれ診療費でも差別はしないし  同じ事を言います。」
「ふん、そうか、、、そんなことやってたら潰れるでぇ。」
そういう言葉とともに、二度と現れませんでした。

そして、ブームを追う繁殖を繰り返しているブリーダーのせいで
日本の繁殖業界は、レベルが低いとみなされています。 つづく。。。。

 

 前のページへ  次のページへ      TOPへ